「宏、あんたの会社ってどうなったの?そろそろ潰れた?」「母さん、起業してまだ一ヶ月だよ。これからだってば。」「どうせ潰れるって分かってるのに、何でそんな無駄なこと始めたのよ。私があれだけ反対したのに。」「父さんは賛成してくれたよ。」「無能な男同士、気が合うのね。でも、家にはもう一円も入らないでしょ?」「計画を立ててるから大丈夫だよ。」「世の中はそんな甘くないのよ。お兄ちゃんみたいな優秀な息子だけが私の誇りなんだから。」一ヶ月後、宏は家を追い出される。母親は「家族の荷物は出て行け」と冷たく言い放った。「そう言うなら出て行くよ。もう戻らないから。」父親も定年退職を機に母親に見下され、家を出た。父親と宏は新しい生活を始めた。母親は浪費癖が抜けず、借金まみれの生活に追い込まれた。兄は幸せな家庭を築き、父親と宏は穏やかに暮らしている。